棟梁が板切れに墨で線を引き、
「いろはにほへと」と数字を組み合わせた不思議な記号を使って書き込みながら、
考え事をしていた様子・・・・
その時、棟梁が何をしているのか???
実は、請け負った住宅の構造図を板きれに墨で書き込み、
実際に使う材木を選定して木組みするための加工をしているのです。
これは「刻み」とも呼ばれている大切な作業なのですが、
各木材の寸法や切断角度、「ありみぞ」や「ほぞ」の加工などを、
極端に言えば「曲尺」1本だけを使って墨付けし加工してしまいます。
しかし、さらに凄いのは、
それらの材料をすべて頭にたたき込んで建て方に臨み、
鳶職に適切な指示をしながら、複雑な木組みを見事に完成してしまうことです。
その道、50年。
まさに、匠の技です!